2020年4月
日本リハビリテイション心理学会編集委員会

1.本学会誌の扱う範囲

本学会の目的は、会則に「本会はリハビリテイション心理学及びこれに基づく学術の発展を図り、教育、福祉、文化の向上に寄与すると共に、合わせて会員相互の親睦を図ることを目的とする。」述べられております。この目的を達成するための事業のひとつとして学会誌の発行がございます。
ここに則れば、本学会の扱う範囲はリハビリテイション心理学及びこれに基づく学術ということになります。それではリハビリテイション心理学とは何を指すかということについて、学会誌編集委員会では、「リハビリテイションを必要とする対象に関する心理学的な方法を用いた研究」となります。リハビリテイションを必要とする対象とは、社会モデルを念頭に、例えば障害や疾病などによるもの、災害などによるものなど原因を問わず、社会生活を営むに支障をきたしている個人や集団、あるいはコミュニティを広く指します。心理学的な方法とは、介入、実験、調査、文献レビューなど各研究時点に照らして心理学領域で用いられている方法を指します。研究時点に照らすの意味は、今後、心理学の発展によって新たな研究方法等が開発されたときに、それらを内包することを意図しています。

2.編集方針

論文を学会誌に掲載する方法、すなわち採択に向かう審査を進めていきます。これについてはこれまでの編集方針と変わるものではなく、本領域の発展と各学会員の研究活動を支えるために学会があるという基本方針を確認するものであります。具体的には、もちろん研究倫理や心理学的な方法の妥当性など、一定の基準をクリアすることは条件となりますが、各査読者に各論文が掲載できる水準に達するよう指導的、助言的なコメントを求めます。投稿者と査読者が協力して、論文の価値を高めていきます。
審査と編集の迅速化を図ります。これまで投稿者、査読者と編集担当とのやりとりは、紙媒体を中心としてきましたが、セキュリティに配慮しながら、電子化していきます。これによって投稿から掲載までの期間の短縮を目指します。

3.改めて編集委員会から会員へのお願い

ここまで本学会誌の扱う範囲や編集方針について述べてきました。これはこれまでの方針を転換するという意図ではなく、これまでの実績や方針を明確に示すという趣旨であります。
学会の発展においては研究の充実は欠かせません。本学会は、実践や研修などの目的も大きなものですが、それを支えていくのは研究活動になります。各会員の研究は、広く共有されてこそ、その成果が結実といえるでしょう。会員からの活発な投稿や学会への参加をお願いいたします。